
製図用紙の種類
~トレーシングペーパー~
製図用紙のトレーシングペーパーとは
1.トレーシングペーパーの基本情報
主に物体や図面などの上にかぶせて透写(トレース)をする用途であることから、透写紙とも呼ばれています。
トレーシングペーパーは原料である化学パルプをより細かく叩解したものを加工することで生成されています。
普通紙と同じ厚みでも半透明になるのは、繊維が細かくなったことにより密度が高くなると透明度が上がるためです。普通紙は密度が低く繊維間の空白が増えるため透明度が下がっている状態となります。
比較的サラサラとしている面が表、ザラザラとしている面が裏とされています。これは上からかぶせたトレーシングペーパーがずれないため、と言われていますが、どちらを表として使用しても問題ありません。
もともと青焼き印刷(第二原図)が主流だった時代は、ジアゾ感光紙と呼ばれる光に反応して図面が写る用紙と同じくらい必須でした。しかし現在では、コピー機の普及により青焼き印刷は衰退しています。印刷に使用する感光焼き付け機の生産は終了してしまい、使用している会社はほとんどありません。
現在では、これまで多く使用されていた製図業界以外にもイラストなどの透写用途や食品ラッピング用途など、一般的な場面でもトレーシングペーパーが使われるようになっております。
2.トレーシングペーパーの選び方
素材
トレーシングペーパーには、幾つかの原料や素材の一部が用途によって異なります。
パラフィン紙、グラシン紙、硫酸紙(パーチメントペーパー)などがありますが、製図用紙で使用されるのは、ナチュラルトレーシングと呼ばれる薬品を使用しないで生成されるトレーシングペーパーとなります。
そのため、普通紙同様に印刷適正を持たすことができ、印刷や透写をする用途に適します。
※ナチュラルトレーシングは、空気中の湿気を吸収しやすい性質を持っています。プリンター等に設置したまま放置をすると、湿気を吸収して生じる波打状のしわにより使用できなくなってしまうので、出力時以外は密封して保管してください。

透明度
透明性についても種類によって、通常のものから高透明なものまであります。
高透明になるほどコストも若干上がってしまいますが、その分繊維がより細かいため、透写しやすくなります。
方眼紙の検討
無地ではなく、あらかじめマス目が用紙に印刷されているものとなります。
建築図面などを手書きで書く際にあると便利な仕様です。
あらかじめ方眼が印刷されているカット紙を購入することができますが、独自のデザインや社名、お好みの方眼幅や線の太さ変更などカスタマイズをした方眼紙を作成し、購入することもできます。
ご興味がございましたら、ぜひ お問い合わせフォーム よりご相談ください。

大判レーザー・LEDプロッター用のロール紙を検討している場合に、確認する必要がある項目となります。
紙管の最後にテープが止められているか否かとなります。
印刷をするプリンターによって使用できるタイプとできないタイプがあるため、確認が必要となります。
テープが止めてある理由は、プリンターが壊れないようにするためです。セットしていたロール紙を使い切る際の残り部分にテープがついていることで、紙管部分にセンサーが反応し、プリンターに用紙が飲み込まないように停止します。
その際、紙管から用紙が取れないようにするため、テープ止めがされています。
しかし古いプリンターの種類によっては、センサーがなく、そのまま用紙を引っ張り続けるため、逆に素巻のようにテープがついていないものが故障を未然に防ぐことにつながります。
3.トレーシングペーパーの使用場面
フロアや地図などのデータを重ねて比較をする用途:建築会社、設計会社、専門学校など
設計図や建築図を書き込むまたは透写する用途:建築会社、設計会社、専門学校など
4.トレーシングペーパーに関するあれこれ(Q&A)
トレーシングペーパーをカラー印刷することはできる?