製図用紙の種類
~型取りフィルム~
製図用紙の型取りフィルムとは
1.型取りフィルムの基本情報
型取りとは、複製品という意味も持ち、主に鉄構業界で使用されているフィルムです。
実際に鉄鋼部品と同じサイズ・仕様のものを用意して、現物を見なくてもわかるように製品と合わせて納品する、またはボルト位置を合わせる際に使用するといった用途で使われます。
フィルムの素材は、PETフィルムであり、筆記性を持たすためのコート剤が表面に塗布されています。これは図面・設計図を扱うため、伸縮等が起こらず正確な図面を作成するためです。ただし印刷適正はないため、ペンプロッターや手書きでの書込み専用となります。
このペンプロッター(カッティングプロッター)用では、さらに「縦型プロッター」と「フラットベッドプロッター」の2種に分類されます。
※この用途ごとの説明は下記にある使用用途で説明されております。
データ化されている現代でも、階段図面など実際に用意をした方がわかりやすいこともあり、まだまだプロッターを採用し、運用している企業は少なくありません。
2.型取りフィルムの選び方
使用用途
造船業などでよく使用されています。
フィルムを広げて手書きで書き込みます。
縦型ペンプロッター
鉄工所やシャーリング業でよく使用されています。
スプロケット(軸穴加工)が必要なタイプが多い。ガセットやスプライスプレートなどの鉄鋼部品の型取り、プロッターの性能によっては長尺となる階段図面の作画をすることがあります。穴なしフィルムはアパレル関係の業界で使用されています。
ビューレックスプロッター
VRX1000
サイズ・幅(mm M)
紙管のサイズ(インチ)
使用されている機械によって異なりますので、機械メーカーを確認したうえでご検討ください。
1インチ:「グラフテック製向け」、「桜井製向け」
2インチ:「武藤工業製向け」、「吉田鉄工製向け」、「桜井製向け」
3インチ:「グラフテック製向け」
スプロケットの有無(軸穴加工)
寸法精度を忠実に再現するためにスプロケットが必要となります。
精度のよいものほど、紙管外れなど起きることなくスムーズに使用することができます。
スプロケット(軸穴加工)が必要な場合、穴精度が重要となり、穴精度が良くないと機械が止まってしまうなど非効率な動きとなってしまいます。
コーティング
筆記性を向上されるため表面にコーティングが施されていますが、基本的に片面のみとなっております。そのため、内巻きと外巻きで用途が分かれます。
手書きの場合はコーティング面が内巻きの製品が推奨されます。転がしながら広げることができるためです。
一方、プロッターで書き込む際はコーティング面が外巻きの製品をご使用ください。プロッターの構造上、外面に書き込むためコーティングが施されていない場合、筆記精度が落ちます。
3.型取りフィルムの使用場面
橋梁・造船図面・設計図:造船業
階段図面・設計図:鉄鋼業
建築部品図面・設計図:鉄鋼業、シャーリング業
洋服型紙作製:アパレル業