CAD図面を印字するために、様々なプリンターメーカーのCADプロッターを1台、はたまた複数台所有されているかと思います。そんなCADプロッターですが、メーカーの太鼓判が押された用紙である『純正紙』というものを、皆さんもご使用されているのではないしょうか?
しかし、純正紙は金額が高めで、調べるとそれよりも安い用紙はたくさん販売されています。今回は、純正紙とそれ以外の用紙は金額以外にどんな違いがあるのか、についてご紹介いたします。
---目次-------------------
1. 純正紙とは
▶ メリット
▶ デメリット
2. 汎用紙とは
▶ メリット
▶ デメリット
5. おわりに
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純正紙とは
純正紙とは、各プリンターメーカーがプリンターで最適な印字品質を提供できると認定した用紙のこと指します。純正紙は、用紙の品質や試験データなど、様々なチェックをプリンターメーカーが行います。
プリンターごとにテスト印字が行われているため、純正紙は『用紙』と用紙ごとに合わせた『印字設定(ドライバー設定)』を用意しているので、初めての方でも安心して、同じ品質で印字することができる環境が整えられています。
そのため、純正紙のメリットは以下のようになります。
プリンターに印字設定(ドライバー設定)が用意されおり、調整作業が不要である。
印字品質がプリンターメーカーにより保証されている。
プリンターメーカーで取り扱っているため購入先を探す心配がない。
どなたでも同じ品質の印字をすることができる点が大きなメリットとなります。
一方で、純正紙のデメリットは以下のようになります。
金額が高めである。
用紙の種類が限られている。
品質は保たれているけれども、価格が高い傾向にあります。印字品質をどこまで追求するか、という部分が判断基準の一つになるのではないでしょうか。
汎用紙とは
汎用紙とは、各企業が各プリンターメーカーの種類(インク種類)に合わせ、独自に開発した用紙のことを指します。純正紙はプリンターメーカーが自社プリンターに適した印字品質を提供する一方で、汎用紙は安価で種類も豊富に用意されている傾向にあります。国産や海外輸入したものを問わず、様々な大判ロール紙が市場に出回っています。
しかし、そうした大判ロール紙の中には「インクが密着しない」、「印字後カールする」「紙粉がでる」などの用紙もございます。そのような用紙を使用し続けると、クライアントに対する信頼や、プリンターの故障につながる場合もありますので、注意が必要です。購入前にサンプルを依頼し、自社でテストプリントをしてから、ご購入することで安心してご使用いただけます。
近年では純正紙とは別の枠組みで認定紙(推奨紙)と呼ばれる用紙をプリンターメーカー対応表で記載されるようになっています。これは、プリンターメーカーの印字品質の基準が市場よりも高くオーバースペックなのではないか、というニーズの変化が起こっている背景があります。
汎用紙のメリットは以下のようになります。
純正紙よりも価格が安くコストを抑えることができる。
ラインナップが幅広く、様々な製品が販売されている。
特定のプリンター向けに製造されていないため、基本的には機種を選ばない汎用性がある。
どのようなプリンターでも、厚みやサイズが基準を満たしていれば使用できる、且つコストを抑えることができる点が大きな強みとなります。
一方で、汎用紙のデメリットは以下のようになります。
購入前に印字テストをして、問題が無いことを確認する必要がある。
種類が幅広く、どの製品が良いか迷ってしまうことがある。
購入前の検討段階で市場に出回る様々な用紙から選定する必要があり、販売先にもよりますが、テストサンプル用の用紙を貰い、自社プリンターで一度お試しいただくことがおすすめです。価格が安いからという理由だけで購入してしまうと、かえって無駄な費用になってしまうこともありますのでご注意ください。
製図用紙における純正紙と汎用紙とは
主にCAD・製図用の水性大判プリンターで印字することが想定されます。
そのため、モノクロまたはカラー線画出力、CAD図面のチェック用などの用途として、普通紙・トレーシングペーパー・コート紙・プルーフ用紙・合成紙が純正紙として用意されていることが多いです。※プリンターメーカーによって純正紙の種類や規格のご用意は変わります。
純正紙にも劣らない汎用紙の失敗しない選び方
■ 販売実績・信頼のある汎用紙を買うこと!
汎用紙といっても、国内製品から海外輸入品まで色々な材質の製品が販売されており、結局どこの製品が安心して使用できるのか、と迷ってしまいます。こうした場合は、安心して使用できる根拠を示していたり、業界で実績があるようなメーカー・企業の汎用紙を選ぶと無難です。既に実績が多くあるということは、それだけ様々なプリンターで問題なく印字することができ、納得いく品質を実現できていることにつながります。
■ サンプルを依頼して、汎用紙の印字具合を自分の目で確かめること!
次に行ってほしいのは、サンプルの依頼です。画像や製品情報だけの判断をしてしまうと品質の違いを確認することができません。
実際に印字するのは、自社で使用されているプリンターですので、他の情報だけでなく印字テストを行ってみることをおすすめします。
サンプル品は1~5m程度になるかと思われますが、それだけでもカール問題、発色・乾き、インクにじみといった印字品質の確認、インクの乗り具合、印字設定の確認、紙送りの搬送性などをチェックすることができます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
プリンターメーカーが取り扱う『純正紙』が対応している場合、メーカーが厳しく評価試験を行っているため、プリンターとの相性・品質などバッチリであることは間違いありません。
一方で、汎用性の高い『汎用紙』も、同程度の品質がある製品もあります。「失敗しない選び方」でも挙げた通り、①実績があること、②印字テストを事前にすることなど要点を抑えることで、純正紙と同じ品質を維持、それ以上にコスト削減につながる運用をすることができます。
弊社では、約100年以上の間、製図用紙に関わる用紙を販売し続けている実績があり、信頼ある汎用紙を多くの規格で取り揃えております。
是非、お気軽にお問合せ・サンプル依頼をしていただき、ご納得いただけた際にはご採用いただけると幸いでございます。
執筆者紹介
石井 優樹(ishii yuuki)
2018年入社。印刷用紙の営業担当を経験し、現在の部署ではマーケティング分析を勉強中。執筆するコラム記事はジャンル問わず。ページに訪れた方に役立ったと思ってもらえることを第一にコンテンツ提供を心がけてる。一児の父親として休みの日も全力投球。