設計製図用紙を選ぶ際、どの要素を重視しますか?白さ、厚さ、滑らかさ、価格など、様々な要素が考えられます。しかし、見落としがちな重要な要素が一つあります。それが「坪量」です。
このコラムでは、設計製図用紙における坪量の起源と意味について詳しく解説します。一見地味な数字に見えますが、坪量には製図用紙の性能や用途を左右する深い秘密が隠されているのです。
---目次-------------------
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1.はじめに
設計製図用紙は、建築物や機械などの設計図を作成するために使用される紙です。正確な図面を描くために、紙質や厚さ、色など様々な要素が重要になります。
その中でも、特に見落としがちなのが「坪量」です。坪量は、紙の重さを表す指標であり、製図用紙の性能や用途を左右する重要な要素です。
2.坪量の起源
坪量は、日本の伝統的な紙の単位である「坪目」に由来しています。坪目は、1坪(約3.3平方メートル)あたりの紙の重さを匁(もんめ)で表したもので、江戸時代から使われていました。
明治時代に入り、メートル法が導入されると、坪目はg/㎡(グラム毎平方メートル)に換算されるようになりました。これが、現在の坪量の定義となっています。
3.坪量の定義
坪量は、1平方メートルあたりの紙の重さをg/㎡で表したものです。つまり、密度にもよりますが、数字が大きければ大きいほど紙は厚くなります。
設計製図用紙は、一般的に60g/㎡から100g/㎡程度のものが使用されます。用途や目的に合わせて、適切な坪量のものを選ぶことが重要です。
4.重さを表すもう一つの指標「連量」
設計製図用紙の重量を表すもう一つの指標として、「連量」があります。
坪量は、1平方メートルあたりの1枚の紙の重さ (g/㎡) で、紙の厚みを表すのに対し、連量は紙1,000枚あたりの重さ (kg) で表します。紙のサイズや種類によって異なるため、坪量と連量は必ずしも一致しません。
例:
・坪量) 64g/㎡ = 連量) 四六判 55kg
・坪量) 81.4g/㎡ = 連量) 四六判 70kg
坪量だけでなく連量による指標も用途や目的に合った用紙選びの決め手となります。
5.坪量と製図用紙の特性
坪量は、製図用紙の様々な特性を知る手掛かりとなります。
強度:坪量が高いほど、破れにくくなります。
滲み:坪量が高いほど、インクジェットのインクが滲みにくくなります。
透け防止:坪量が高いほど、紙は透けにくくなり、裏写りしにくくなります。
用途や目的に合わせて、これらの特性を考慮して適切な坪量の製図用紙を選ぶことが重要です。
6.桜井株式会社製品の数字
桜井株式会社で取り扱う製図用紙には商品名に坪量を表記している商品がございます。例えば、
IJトレペ75R:75g/㎡のトレース用紙
普通紙64:64g/㎡の普通紙
再生紙69:69g/㎡の再生紙
このように商品名を見ただけで、その製図用紙の厚みや特性、用途をある程度推測することができます。
※坪量を表していない商品も一部ございますのでカタログやHPなどでご確認ください。
6.1 IJトレペ75R:インクの滲みを軽減し、線描画に適したトレーシングペーパー
IJトレペ75Rは、75g/㎡の厚みを持つインクジェット用トレーシングペーパーです。適度な厚みで取り扱いがしやすく、インクジェットでの印字適正に優れています。シャープな線描画が可能でインクによる滲みを軽減するつくりになっています。
6.2 普通紙64:汎用性の高い、コストパフォーマンス抜群の用紙
普通紙64は、64g/㎡の標準的な厚みの用紙です。鉛筆やインク、ペンなど様々な筆記用具で書き込むことができ、汎用性の高い1枚です。コストパフォーマンスも高く、日常的な使用に適しています。
6.3 再生紙69:環境に配慮した古紙パルプ使用の再生紙
再生紙69は、69g/㎡の標準的な厚みのインクジェット用再生紙です。古紙パルプを100%配合し、環境に配慮した製品です。グリーン購入法に適合し、エコ商品ねっとGPNデータベース掲載製品です。
グリーン購入法につきましてはこちらのコラムをご覧ください。
6.4 その他の製品:用途に合わせて選べる豊富なラインナップ
桜井株式会社は、上記以外にも様々な種類の設計製図用紙を取り扱っています。
用途や目的に合わせて、お客様のご要望にお応えいたします。
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。製図用紙の坪量は、一見地味な数字に見えますが、製図用紙の性能や用途を左右する重要な要素です。用途や目的に合わせて、適切な坪量の製図用紙を選ぶことで、快適な製図作業が行えます。このコラムを参考に、ぜひあなたに合った坪量の製図用紙を見つけてください。
執筆者紹介
七里 聡(shichiri satoshi)
1993年桜井株式会社に入社。
Webコンテンツ制作チームで日々デザイン業務と納期に追われる日々を送る。
焚火をこよなく愛し、ガラスの腰に鞭打って炎を愛でるのが至福の時間。