---目次-------------------
5.おわりに
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1.はじめに:ドラガー用紙(縁加工トレーシングペーパー)とは
みなさんはドラガー用紙(ドラガー)という商品をご存じでしょうか?
ドラガー用紙とは、トレーシングペーパーの縁に糸入りテープを貼りつけ、強度を上げた製図用紙です。
デジタル化の波に押され、一時期よりも使用の場が減ってきてはいますが、現在においても一定の支持を受けて販売を継続している企業もあり、製図用紙として使われ続けています。
弊社ではドラガーの取り扱いは終了しているのですが、過去に縁どり補強製図用紙として「スタードラガー」という商品名で販売していたこともあり、稀にドラガー取り扱いのお問い合わせを受けることもあります。
なおドラガーは、1961年安川電機の元設計課長をしておられた足立氏(故人)の考案になる設計用紙の縁辺補強加工品で、ドラガー有限会社で製造され、弊社が一手専売権を持つものでした。
しかし、「スタードラガー」は2005年に製造中止となっており、2005年入社の私にとってはなじみ深いものではありません。そのため、ドラガーと問い合わせを受けても、どのような商品だったか頭に思い浮かべるまで時間を要してしまう状況です。
そのようなこともあり、私の備忘録を兼ねて今回は桜井が販売していたドラガー「スタードラガー」とその関連商品「スターブルーレーン」について書かせていただきます。
以下の商品情報は2005年弊社総合カタログ等から抜粋でのご紹介になります。
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2.スタードラガー(高級補強加工付トレーシングペーパー)
・糸入片面補強ですから、保管庫のスペースを節約できます。(100枚で20mm)
・ひっかからない:補強が製図紙の裏面に片面加工してあるため、定規がひっかからず、揃えたり、丸めたり、抽き出しからの出し入れがスムーズです。
・引裂力に強い:縁どり補強部に糸入れがしてあるため、引裂力に対しては充分の強度をもっています。
・熱に強い:温度・湿度変化に適応する加工をしておりますので、複図が鮮明に仕上がります。
【無地:中厚口50g/㎡(A1・A2・A3・B2)・厚口60g/㎡(A1・A2)】
【枠付:中厚口 50g/㎡ スミ一色(A1・A2・A3)】
【設計タイトル付:中厚口 50g/㎡ スミ一色(A1・A2)】
【セクション(ドラガー加工付トレス方眼紙):中厚口 50g/㎡ ブルー方眼(A1・A2)】
また、「スタードラガー」の関連製品として、縁を青い和紙テープで補強した「スターブルーレーン」という商品も販売していました。
こちらは「無地」「枠付」「設計タイトル付」のラインアップでした。こちらも「スタードラガー」と同様に2005年に製造中止となりました。
こちらも2005年弊社総合カタログ等から抜粋でのご紹介になります。
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3.スターブルーレーン
・経済的な極薄補強トレーシングペーパー
・湿度変化による波打ちやひきつりのない和紙テープを使用しているので丈夫です。
・補強テープが裏面に完全貼付してあるため定規がひっかかりません。
【無地:中厚口 50g/㎡ スミ一色(A1・A2・A3)】
【枠付:中厚口 50g/㎡ スミ一色(A1・A2)】
【設計タイトル付:中厚口 50g/㎡ スミ一色(A1・A2)】
4.現在販売しているトレーシングペーパーの種類
現在弊社で販売しているトレーシングペーパーは
・インクジェットプロッター用に適したトレーシングフィルム:ジェトラスシリーズ
・PPC/LEDプロッター用に適したトレーシングフィルム:エルマーシリーズ
・測量成果原図用に適した手書き用トレーシングフィルム:Zトレースターシリーズ
・ペンプロッター/手書き用に適したトレーシングフィルム:テラミスシリーズ
・ペンプロッター/手書き用に適した方眼フィルム:トレースターセクション、テラミスセクション
などがあります。
詳細は別コラム「18年前と比べて製図用フィルムのラインナップはどう変化しているのか?」にて解説しています。
5.おわりに
ドラガー用紙はトレーシングペーパーの裏に縁を強化する加工がされているため、ドラフター(製図台)などでの設計作業の際、製図用テープで縁を固定しても剥がす時に破れにくくなる上、定規が引っかからずスムーズな作業ができる商品としてご利用いただきました。
また、枠付・設計タイトル付タイプはあらかじめ枠線が引いてあり、枠線を引く手間が省ける商品としてご好評いただきました。
弊社ではドラガーの取り扱いは終了していますが、ユーザーが使いやすい商品を、という姿勢は現在にも受け継がれています。これからも、時代を超えて愛される商品をお届けできるよう努めてまいります。
執筆者紹介
葉山 和裕(Kazuhiro Hayama)
2005年に入社してから現在に至るまで、しばしば販売終了後10年、20年経つ商品の問い合わせがあり、その都度過去のカタログを遡って調べている。
「ピオニー」「パンジー」など、問い合わせを受けて知る商品は多く、温故知新を実感している。