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なぜ?紙のサイズにAとBがある理由

更新日:2月27日

以前に当サイトのコラムで紙のサイズについて書かせていただきましたが、

今回は用紙のサイズであるA判(A列)・B判(B列)の由来についてご紹介します。


 

■目次

 ・紙のサイズの制定

 ・A判サイズの由来

 ・B判サイズの由来

 ・小話

 

紙のサイズの制定

紙のサイズであるA判・B判は昭和4年JIS(日本工業規格)の前身JESによって制定されました。

規格制定当時、日本で流通している書籍、紙製品を調査したところ、

「菊判」と「四六判」の2つの大きな系統があり、それらに対応した新しい規格が制定されたそうです。


A判サイズの由来

菊判サイズはA判規格のサイズにほぼ当てはまりました。

A判はドイツ規格をそのまま取り入れ、原紙のサイズと原紙を2等分していったサイズを規格として決められました。


※菊判について

「菊判」はもともと、明治初期に新聞用紙としてアメリカから輸入された紙でした。

「菊判」と呼ばれるようになったのは、

①新聞紙以外にも使用してもらうと菊の花をつけて売り出したから

もしくは、

②輸入した用紙に菊(もしくはダリア)のラベルがついていたから

といわれています。


B判サイズの由来

日本では書籍のサイズとして四六判というサイズが主流でしたが、

A判では「四六判」に対応できませんでした。

しかし対応策を探す中で、A判の縦横比を維持したまま面積を1.5倍にした寸法を使うと

「四六判」に近いサイズを作れることが分かりました。

これにより、A判の面積を1.5倍したサイズをB判と名付け、規格として採用されました。

また、国際規格にもB判はありますが、日本のB判とはサイズが異なるため、注意が必要です。


※四六判について

「四六判」は明治初期、活版印刷術のためにイギリスから輸入したクラウン倍判がもとになっています。クラウン倍判は日本で従来から書籍に使われていた美濃判の8倍よりやや大きいサイズで、書籍や雑誌などの出版物に多く使われるようになりました。

クラウン倍判を32枚に分けて化粧裁ちすると縦4寸2分×横6寸2分の書籍寸法になったため、このサイズが「四六判」と呼ばれるようになりました。


小話

紙の加工仕上寸法(JIS P0138)でA0の面積は約1㎡、B0の面積は約1.5㎡となります。

また、A判B判ともに短辺と長辺の比率が1:√2になっています。

ちなみに、1:√2の比率は白銀比とも呼ばれ、日本古来からある建造物のほか、

現代においても造形品やキャラクターデザインなどに使用されています。

※A0~A7、B0~B7サイズの寸法は下図参照


※参照サイト:レファレンス協同データベース




執筆者紹介

 

葉山 和裕(hayama kazuhiro)

2005年桜井株式会社に入社。

ECサイト運営やWEB全般のシステム運営・構築を担当する当グループのエース。

趣味の街歩きでは「栓抜き」が必需品で、その地のビールを呑むことが至高。


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