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18年前と比べて製図用フィルムのラインナップはどう変化しているのか?

更新日:2月27日


ふと、「昔買ったあの商品ってまだ買えるのかな?」と思うことはありませんか?

実際に、「まだこの商品って取り扱いがありますか?」というお問い合わせをいただくことがございます。それは少し前に廃番になってしまった商品だけではなく、数十年前に販売していた商品の品番や品名ということも・・・。

様々なデータが電子化されている現代においても、設計製図用の用紙は今も変わらず同じ用途として使用されています。


今回は、社内で保管されていた2005年(約18年前)に発刊された桜井株式会社総合カタログと2023年現在の総合カタログを見比べて、どのような移り変わりになっているのかを「トレーシングフィルム(マイラーフィルム)」に焦点を当ててみていきたいと思います。



強度、耐熱性、耐水性に優れている素材になります。米国デュポン社が開発し商標を取得しているブランド名で「マイラーフィルム」という名前が浸透しております。また、同等の素材を使用しているポリエステルフィルム、PETフィルムが、そう呼ばれることもあります。


透明度を備えたうえで、常温の環境でも伸縮や吸湿しづらい性質が好まれ、忠実な再現が望まれる設計・製図用のフィルムとして多く使用されています。

官公庁での設計・製図用の資料はこの素材が指定されている場合があります


基礎情報として、製品によってマットコーティング仕様が片面用・両面用の2パターンに分かれております。また、コーティング加工方法についても、図のようにケミカルマット加工とサンドマット加工(サンドブラスト加工)の2パターンがございます。

ケミカルマット加工(樹脂加工)は、素材の表面に樹脂をコーティングしてから堅い均一の粒子を吹き付けて粗面を作り、筆記性や印刷適正を付加させます。

サンドマット加工(サンドブラスト加工)は、素材の表面に直接堅い均一の粒子を吹き付けて粗面を作り、筆記性を付与させます。ただし、この面への印刷適正はありません。


※詳しくは、「トレーシングフィルムとは」でご説明しております。


ここまでトレーシングフィルム(マイラーフィルム)の基礎情報を見てきたところで、実際に2005年頃に発刊されておりました桜井株式会社総合カタログを見ていきたいと思います。


スターマットシリーズは、当時手書きが主流だったことから筆記性に優れてたサンドマット加工を採用したポリエステルフィルムでした。ペンプロッターが世に出回ると、より筆記性の高いケミカルマット加工ポリエステルフィルムへ需要が移り変わったため、商品ラインナップは、この時期には既に少なくなっておりました。用紙専用の墨汁なども販売されていただけに、需要は多かったことが伺えます。

現在では、手書き用として販売しているZトレースターシリーズが後継品に該当します。


スタージェットシリーズは、1990年代にHP社のインクジェットプロッターが発売され、インク適性のなかったスターマットシリーズに代わり、インク適性を持つポリエステルフィルムとして販売されました。

こちらの商品は、プロッターのセンサーに感知できる高透明度フィルムで、多くご愛用いただいておりました。

インクジェットプロッターが販売された当初は、方眼線はミリに対して、インクジェットプロッターはインチを採用されていたことから、精度を確保できず方眼印刷はNGだったこともあったようです。

現在では、インクジェットプロッター用として販売しているジェトラスシリーズが後継品に該当します。


エスケーマットシリーズは、ケミカルマット加工ポリエステルフィルムに部類していました。発売時期はペンプロッターが発売された頃で、スターマットシリーズよりもペンプロッターに適した商品として販売されていました。

ペンプロッタや手書きでの使用がメインとなっていたため、主にカットサイズのラインナップとなっています。2005年ではちょうど転換期にあったようで、現在は手書き・ペンプロッター用として販売しているテラミスシリーズが後継品に該当します。


エスケーマットシリーズはトナー用のタイプも販売されており、こちらはPPC・LEDプロッターや第二原図用として販売しているエルマーシリーズが後継品に該当します。


ピオニーシリーズは、エスケーマットシリーズの改良品とし販売されていたポリエステルフィルムケミカルマット加工多機能製図フィルムです。多機能製図という文言が付くとおり、エスケーマットシリーズよりも筆記性を向上し、手書きや自動製図機などの描画性をより向上させた商品でした。

こちらも転換期にだったことから、現在は手書き・ペンプロッター用として販売しているテラミスシリーズが後継品に該当します。


これまでご紹介をしてきた商品には、合わせて「セクション」品を販売していました。

こちらは、無地のフィルムではなく、あらかじめ方眼線が印刷されたトレーシングフィルム(マイラーフィルム)の商品となります。縦横断図などの長い図面を使用する際にロール紙が使用されましたが、基本的にはカット版が主で使用されていました。セクションの場合、特殊コーティングが表面に施されていたため、消しゴムでこすっても方眼線が消えない使い勝手の良い商品として、お客様ニーズにあわせて販売されていました。

現在では、トレースターセクションテラミスセクションのみが販売されています。


最後にまとめてご紹介します。ジェトラス、Zトレースター、テラミス、エルマーは現在(2023年時点)でも販売されており、トレーシングフィルム(マイラーフィルム)の主要製品となっております。


インクジェットプロッター用に適したトレーシングフィルム:ジェトラスシリーズ

PPC/LEDプロッタ用に適したトレーシングフィルム:エルマーシリーズ

測量成果原図用に適した手書き用トレーシングフィルム:Zトレースターシリーズ

ペンプロッタ/手書き用に適したトレーシングフィルム:テラミスシリーズ


いずれも同じトレーシングフィルムではありますが、用途や印刷方法によって使用するフィルムは異なります。

また厚みに関しても#200~#500までのラインナップをご用意している商品もあり、この厚みによって使用場面や指定される規格が異なっています。

18年間販売し続け、ご愛用いただいているというのは改めてすごいことですよね。


如何だったでしょうか。

この18年の間に廃番となってしまった商品もあれば、今もなお皆さまにご愛用いただき販売し続けている商品があることがわかりました。


今回この記事を作成しようと思ったきっかけは、お問い合わせで「昔、こんな製図用フィルムを桜井で購入していたが購入できるか?」といただいていた方々に、後継品がどの製図用フィルムが該当するのかをお伝えできればな、という思いで振り返らせていただきました。


今現在も製図用フィルムをご使用いただいている方々に、長い歴史の間製図用フィルムを販売し続けている桜井株式会社を知ってもらえたら嬉しい限りです。


桜井株式会社では、取扱商品だけではなく、方眼印刷やご指定サイズの断裁、現在ご使用されている形式の印刷依頼などフィルムに関するご要望もお受けしておりますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いでございます。




執筆者紹介

 

石井 優樹(ishii yuuki)

2018年桜井株式会社に入社。

WEB分野でのマーケティング分析を勉強中。

趣味は大盛りを食べること。3kgの壁を越えられないが太らないことが何よりの自慢。



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